【海プロ2023】沖縄開催レポート!
開催報告
一般社団法人日本水中ドローン協会と水中ドローンスクール沖縄那覇校(運営 : 株式会社琉球トラスト)は、2023年8月12日(土)に海の豊かさを知っていただく事を目的として、沖縄県西原町近郊の小学生を対象に水中ドローンを使用して海を知っていただくイベント、水中ドローンで知る「私たちの海 in 沖縄」を開催いたしました。このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催日時 | 2023年8月12日(土) |
開催場所 | 西原きらきらビーチ |
参加者 | 8人 |
共催 | 水中ドローンスクール沖縄那覇校(株式会社琉球トラスト) |
協力団体 | 沖縄女子短期大学、水中ゴミ拾い専門店Dr.blue |
主催者レポート
夏休みの自由研究の題材に活用してもらおうと、対象者を小学5年、6年生の高学年に絞り、水中ドローン体験と海に関するSDGs地域学習を組み合わせました。
SDGs地域学習では、水中ごみ拾い専門ダイバーがプラスチックなどの海洋ごみの現状を水中映像を通して報告し、沖縄のきれいな海を守るために自分たちにできることを考えようと伝えました。また、沖縄女子短期大学の学生は、海水の入った容器にストローで息を吹き込み、二酸化炭素が吸収される実験を行いました。海水の酸性化が進むことによって生物の生態系が変わることの影響を説明しました。水中ドローン操縦体験では、コントローラーの操作方法を説明した後、2台の水中ドローンを交互に体験してもらいました。台風の影響で透明度はよくなかったものの、参加者は岩礁や海草などの水中写真を撮り、観察を楽しんでいました。短い時間でしたが、内容の濃いイベントになったものと思います。今後も水中ドローンを通して、豊かな海の環境を守るための活動を続けていきたいと存じます。
開催経緯
沖縄での開催は昨年に続き2回目。前回が沖縄本島西海岸(那覇市)で実施したこともあり、今回は東海岸を開催候補として調整しました。
西原町教育委員会、地元の漁業協同組合の後援をいただき、開催地を決定しました。開催場所の西原きらきらビーチは地元の海水浴客が多く訪れます。
夏休みのこどもたちの自由研究の題材に活用してほしいと思い、当初開催日を8月5日としましたが、直前の台風6号の接近にともない波と風で海岸の砂が陸上まで打ち上げられ、大きな被害を受けました。
そのため、開催を1週間延期し、その間にビーチ担当者が復旧を急ぎイベントに間に合わせていただきました。
また、地元にある沖縄女子短期大学は小学校教諭を目指している学生が学んでいることから、海の環境に関するミニ授業を提案していただきました。
海でのイベントのため、万一の事故を想定し安全対策を最優先しました。管轄の海上保安部への行事許可申請をはじめ、消防・警察の連絡、イベント保険の加入、救命具の装着、当日の人員配置などを情報共有しました。
有識者コメント
東 真七水さん(水中ごみ拾い専門店Dr.blue代表)
きれいに見える沖縄の海も至る所にごみがある。1年間に300キロを超える海洋ごみを拾った。
空き缶やペットボトル、中には自転車などもある。プラスチックごみは世界で年間800万トンの海洋ごみが出ている。
西原町のごみの総排出量の685年分にあたる。このままでは魚の総量を上回ることが予想されている。
海のごみは海が発生源ではない、陸から流れてくる。ごみを出さない。ごみを拾う。きれいな海を守るために自分にできることを実行してほしい。
砂川 吏雄さん(沖縄女子短期大学児童教育学科)
地球温暖化の要因になっている二酸化炭素。その30%は海水が吸収するため、海の酸性化が大きな問題となっている。
さらに環境が悪化すれば、魚が棲めない海になる。そうなると生き物の生態系や私たちの食生活にも影響がでる。
海の酸性化を知ること、それを止めるために何ができるかを考えてほしい。
体験会参加者の声・水中ドローンで何ができる?
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- 海の実態を知って、もっと海をきれいにしようと思った。
- 少し濁っていたけれど、海草やサンゴのかけらが見られた。
- 水中ドローンで海中のごみを見つけて拾いたいと思った。
- 水中ドローンを人命救助に使えたらいいと思う。
- 海のごみや酸性化についてこれから僕たちが取り組んでいきたい。
<水中ドローンスクールより気になったディスカッション>
台風の影響で海中の透明度が悪く、水中ドローンの体験会を楽しみに参加した子どもたちにきれいな海を見せられなかったことが残念でした。
ただ、初めて操縦する水中ドローンを楽しんでくれたことは幸いでした。
パネルディスカッションでは、予め座学の内容を伝えていたこともあり、事前学習をしてきた参加者もいました。
SDGs目標14の「海の豊かさを守ろう」について子どもたちの意見発表で、水中ドローンを使って自分たちに何ができるだろうということを考えてもらうメッセージは確実に伝わったものと思います。
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当日のダイジェストムービー
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。