【海プロ2023】長崎開催レポート!
開催報告
一般社団法人日本水中ドローン協会と水中ドローンスクール長崎校(運営:株式会社TMN)は、2023年9月9日(土)に海の豊かさを知っていただく事を目的として、長崎県長崎港・長崎県庁で小学生を対象に水中ドローンを使用して海を知っていただくイベント、水中ドローンで知る「私たちの海」 in 長崎を開催いたしました。このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催日時 | 2023年9月9日(土) |
開催場所 | 長崎港 |
参加者 | 16人(ご家族17人) |
共催 | 水中ドローンスクール長崎校(株式会社TMN) |
協力 | 長崎県、九電ドローンサービス |
主催者レポート
開催経緯
第2回ドローンサミット(経済産業省・国土交通省・長崎県主催)開催にあわせて、長崎県に共催いただき今回のプロジェクトを開催しました。日本で一番海岸線が長い県である長崎県は、海は身近な存在で、多くの美しい島やビーチがあり、海は長崎県の自然や文化、産業に大きな影響を与えてきました。特に長崎港は、日本の造船業の発祥地とも言われる歴史ある港です。そのため水質は良いとは言えません。だからこそ子供たちに身近な長崎港の海の中を知ってほしいと考えました。長崎港湾内で水中ドローンが初という事もあり、体験会学習の許可取得は難航しましたが、2018年に新しく建設された県庁舎は、県民に広く学習の場として開放されており、次世代を担う子供たちに海を身近に感じられる場所であること、そして「安全性」「体験操縦の容易性」「関係自治体との連携」「利便性」を考慮し決定いたしました。当日の設営および運営には九電ドローンサービスの皆さんに全面協力を頂き、無事に開催することが出来ました。
有識者コメント
長崎港は、開港452年という歴史ある港です。長崎港は自然の良港であり、海水交換が非常によく、平均滞留時間は2日程度と短いことから、水質汚濁物質が蓄積しにくいという特徴を持ちます。 また、降雨後に陸域から流出する汚濁水による水質悪化も短期間で回復することが報告されています。しかしながら、1857年に始まった造船業の発展や人々の生活環境の変化に伴い海の汚染はほかの地域と変わらず進み長崎港は透明度低い海となりました。1986年に策定された長崎港の再開発プロジェクトである「ナガサキ・アーバンルネッサンス2001構想」が実施されたことで、港周辺の環境整備や観光施設の整備が進み、これにより港の景観が美しくなり水質汚濁の原因となる廃棄物や排水の発生が抑制されました。長崎県や長崎市などが水質汚濁防止法に基づいて、長崎港内の公共用水域や地下水の水質測定を定期的に行ってきたことで、水質の変化は大きく、この度の水中ドローンによる映像も思ったより視界も確保され、魚の稚魚も多く見受けられました。次世代を担う子供たちが身近な長崎港の水質や現状に興味を持ってくれることで海の未来も透明度が増すと期待したいです。
体験会参加者の声・水中ドローンで何ができる?
・魚はいなかったけど、でもドローンができてうれしかった。
・ゴミが落ちていてきれいじゃなかった。
・さかながいなかった。
・海を見て楽しかった。
・にごっていて見えにくかった。でもプランクトンがいっぱいいたから栄養が高いことが分かった。
・あまり見えなかったけど、貝や魚がみえてよかった。
・濁っていたけど魚がいたからよかった。
・海水が汚くなっていた。
・濁っていたのでもっと透明なところがいいね。
・きれいにしたい。
子供たちからの感想で一番多かった「海が汚かった」「よく見えなかった」でした。長崎港という県内屈指の経済・観光エリアであり海水浴場のように透明度がないことは承知で開催地としました。しかしながら、子どもたちの中に「もっと透明な海を見てみたかった」と意見が出た時に、きれいな海(海水浴場に近い漁港等)での開催がよかったのだろうかと感じました。SDGsの目標14を理解してもらうためには、今回のような一番身近な海が汚れている現状を知ってもらったことも有意義であったのではと考えました。
長崎県は大陸に近く、海流の影響で中国や韓国からの海遊ゴミが大量に漂着する離島が多く存在し、それら地域のほとんどが透明度の高い海です。水中ドローンで何ができるかという質問に対して「海のおそうじ、ごみを拾う」とありました。これから水中ドローンを活用し海中のお掃除が実現できたらと考えました。
当日のダイジェストムービー
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。